47.終わりは始まりの途中なのさ

今まで「ジャズピアノって言ってる割には、それほどジャズピアノらしくないじゃん」って思われたかもしれません。 でも、私がジャズピアノの入口にたどり着くまでの長い道のりを、思い出しながら書き留めたものなので仕方がありません。 私と同じような状況の方には、多少なりとも参考になったのではないでしょうか。

そんなこんなで、この「ジャズピアノ以前編」そろそろ書くことが思いつかなくなってきました。 ということで、いきなりですが終わりにしちゃいます。 多分まだ、たくさんあるような気もするので、何か思い出したときは、48、49、50~って続けていこうと思っています。

そこで、次回からは、いよいよ「ジャズピアノ入門編」しかも第0話から、内容的にかなりのハイテンションで、見事に皆さんの期待を裏切ってみせます。必ず!絶対に!ものの見事に! ということで、今回も?適当にやっつけちゃいます。

さて、「コードが重要ってのは分かったけど、なかなか覚えられないよ~」なんて方、相変わらず多いようです。 そこで、「私がどのようにコードを覚えたのか」をお話しいたします。 過去の練習ノートにも載せたことなのですが、今回はさらにもう少し詳しくご説明いたします。

え~その頃の私は、ジャズピアノの入口が分からず、とにかくいろんなことをしていました。 そのなかでも、超オススメなのが「弾き語り」。

といっても、ご安心ください。誰にも聞かせなくていいのです。 小さな声でコッソリ、自分だけに聞こえる程度で歌えばいいのです。 まあ、他人に聞かせたいって人は思う存分聞かせてみてくださいな。 ただ、次の日から「じゃいあん」なんてオシャレなあだ名がついても知りませんけどね。

弾き語りに使う歌本は、歌詞の上にコードが書いてあるだけの、かなりシンプルなものでいいのです。 そして、片っ端から歌っていくのです。 「バッキング万能パターン」(過去の練習ノート参照)でコードを弾きながらね。

サザンでも、ユーミンでも、ドリカムでも、ミスチルでも、ほんとなんでもいいのです。 ただし、好きな歌じゃないと効果が半減します。 とにかく、気持ちよく歌いながらコードを弾いていくのです。

でも、ときどき分からないコードが出てくるはずですよね。 そんなときは、中断されるので「も~今すご~く、いいとこだったのに~」って悔しいというか、歯がゆいというか、嫌な気分になります。 実は、これがいいのです。だ、か、ら、コードを覚えるようになるのです。 まあ、しばらくは「弾く」、「分からないコードが出てくる」、「そのコードを覚える」ってのを繰り返してください。 出てくるコードだけ覚えればいいのですから、それほど数も多くありません。

これをしばらく続けていくと「え~い、面倒くさい。先に全部のコードを覚えてやる」なんて気になってくるかもしれません。 実際に、気の短い私は、そうしちゃいました~。 そうしたら、も~快適快適~。 押さえられないコードが無いのですから、それはも~天下無敵です。 どんな歌も、いきなり弾けちゃいます。

そして、この「弾き語り」の練習は、私に思わぬ効果をもたらしてくれました。

よく、カラオケなんかで自分の声の音域が合わないよ~なんてことありませんか? そう、女性歌手の曲を男性が歌う場合や、その逆なんか。 カラオケならキーを下げたりできますが、ピアノの場合どうしたら良いのでしょうか? ノドから血を吐こうが、頭の血管が切れようが、無理してでもオリジナルのキーで歌い続けるってのも1つの方法です。

でも、自分で弾くコードのキーを下げるってのも、その次くらいに良い方法かもしれません。 例えば、「C、Am、F、G7」というコード進行でキーが高すぎたら、「A♭、Fm、D♭、E♭7」とかにすれば楽に歌えます。 (これでも高い場合は、もう少し低いキーにします。) これは、全音2個分(半音4個分)下げただけのことで、それ程たいしたことではありません。 単に、「移調」しただけですから。

そんな一見ちょっと複雑なことでも、いつのまにか簡単にできるようになるのです。 最初は、「C」の上に「A♭」、「Am」の上に「Fm」なんていちいち書き直していたものが、だんだんとそれも面倒になってくるんですね。 そのうち「C」を見ながら「A♭」を弾いたりするようになります。

これは、頭のなかで変換しながら弾いているのですが、それもどうってことなくなるのです。 つまり、移調しながら弾けるようになっちゃうんですね。 本当に「慣れ」ってすごいと思います。

そうそう、移調するときには、キーの変換表みたいなもの使わずに変換しましょう。 どうするかというと、私は鍵盤を見ながら変換していました。

全音2個分(半音4個分)下げる場合は、「C」から、「1・2・3・4」と数えならが「B・B♭・A・A♭」のようにして、この「A♭」を見つけるのです。 「Am」からだと、「A♭・G・G♭・F」なので、「Fm」になるわけです。 慣れてくれば、実際に鍵盤なんか見なくたって、頭の中にある鍵盤のイメージを使い変換できるようになってきます。 まあ、全音2個分だったら、「C」から半音1つおきに「1・2」と数えながら「B♭・A♭」のように「A♭」見つけた方が早いかもしれませんけどね。

コードを覚えるときの(というより、何にでも応用可な)3つのポイントです。

  1. 最初は少しずつ
  2. 必要性を感じる
  3. 楽しく

いきなり、たくさんのコードなんて覚えられるわけがありません。 心の底から必要性を感じないとダメです。 しかも、楽しくなくちゃね~。

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