8.度数を完全に攻略する

ほとんどの教則本には、何かといえば「度数」が出てきます。 難しい本ほどたくさん出てきて、これが分からないことには、もうどうにもなりません。 でも、これが理解できれば、今まで難しく感じていた教則本も「それほど難しくないかも~」ってなっちゃうかもしれません。 「そんな面倒なもんヤだよ~」とか言って逃げ回っていた人も、これを機会に完全に攻略しちゃいましょう。 まあ、攻略ってほど大袈裟なもんじゃございませんけどね。 とっても分かりやすく説明しますからね~ さて、まずは「度数」がどんなときに使われるかってことです。

  1. コードの構成音
  2. コード進行

こんなところでしょうか。

その前に「ドレミファソラシド」は弾けますか?12コ全てのキーで。 例えば、キーがCだと、白鍵だけで「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」です。超~簡単! これがキーFだと「ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ・ファ」のように、「シ♭」のここだけ黒鍵になります。 そして、全てのキーというのは「C、F、B♭、E♭、A♭、D♭、G♭、B、E、A、D、G」の12コです。 「移動ド」なんてこといいますけど、どの鍵盤からでも「ドレミファソラシド」に聞こえるように弾くことができます。 これができないと、ここから先へは進めないので、弾けるようになってから出直してくださいな~ここで待ってますから。

・・・

じゃ~そうですね~試しにG♭のキーで弾いてみてくださいな。 そう、「ソ♭・ラ♭・シ♭・シ・レ♭・ミ♭・ファ・ソ♭」です。ほんと黒鍵多すぎ~。

もう、鍵盤がそばになくったって、このくらいのことは、頭の中でできないとダメです。 ということで、ここからは「12キーのメジャースケール」が弾けるってことを前提に話を進めま~す。

「度数」というのは、「移動ドによるドレミファソラシド」、つまり「メジャースケール」によって数えます。 「ド」が1度で、「レ」が2度、・・・「シ」が7度、そしてオクターブ上の「ド」が8度になります。

それでは、キーがFのときに3度は何の音でしょうか?

そう、「ラ」ですね。

では、キーがB♭のとき、「レ♭」は何度でしょう?

そう、「♭3度」です。

あせらなくても大丈夫ですよ。 こういうのは、慣れてくれば瞬時に言えるようになってきますから。 だから、いつでも度数で考える癖をつけましょう。

そして、度数に♭や♯などを付けるときは、「ふらっとさんど」のように♭や♯を先に言います。 逆に、音階、キー、コードなどは、「びーふらっと」とか「レふらっと」のように後に付きます。 ちゃんと区別しましょう。

さて、「コードの構成音での度数表記」から始めます。 これは、数字を使って、コードの構成音を表記する方法です。

例えば、Cm7の構成音は、「ド・ミ♭・ソ・シ♭」です。 これを、先ほどの度数の数え方で表すと「1・♭3・5・♭7」ってことです。 というか、「m7」はどれも「1・♭3・5・♭7」という構成になっています。

では、Fm7の構成音は何でしょうか?

そう、「ファ・ラ♭・ド・ミ♭」です。こんなのもう楽勝でしょうか。

そして、テンションなどを表すときは、8度以上の数字を使います。 でも、9度=2度、11度=4度、13度=6度という関係が分かっていれば、どの音なのかすぐに見つけることができます。

ここで、まとめま~す。

コードの構成音での度数というのは、コードのルートを1度とした、そのルートのメジャースケールを基準にしています。

例えば、Cm7とか、C7のように、コードのルートが「C」だったらCのメジャースケールで。 Fmaj7とか、Fdimのように、コードのルートが「F」だったらFのメジャースケールで度数を数えればよいのです。

さらに、そのコードが鳴っているときの、フレーズの音なども表したりできます。

移調

こういう考え方でフレーズを記憶することにより、アドリブフレーズの使い回しとか、移調がより簡単にできるようになるのです。

さて、次は「コード進行での度数表記」です。

よく見かける「 I 」とか「 V7 」とかのような、ローマ数字のことです。

例えば、「 I ・ VI7 ・ IIm7 ・ V7 」なんてコード進行があったとします。

「 I 」(いちど)は、そのキーのコードなので、キーがCときは、「 C ・ A7 ・ Dm7 ・ G7 」となります。

では、キーがFだったらどうでしょうか?

そう、「F・D7・Gm7・C7」ですね。 すぐに頭に浮かんできたでしょうか? 私も最初は、すご~く時間が掛かりました。順に数えていったりして。 でも、慣れっていうのは恐ろしいというか素晴らしいというか、今では瞬間的に言えたり、コードを押さえることもできちゃいます。

ところで、「ツーファイブ」とかって聞いたことありませんか? 先ほどのコード進行の「 IIm7 ・ V7 」(にどまいなーせぶん・ごどせぶん)この部分のことなんです。 「 IIm7 ・ V7 ・ I 」のように、「 I 」を付けて「ツーファイブワン」なんて言うこともあります。

  • 「 II 」の4度上が、「 V 」。
  • 「 V 」の4度上が、「 I 」。

つまり、順に4度上(5度下、5度圏の順)に進行しているってことです。 別にこれは、こうしなくちゃいけないっていうルールではありません。 何て言うか自然な流れというか、ものすごく相性が良いというか、こうすると落ち着く~みたいな感じのものです。 だから、曲の中ではこういった進行が多くなるのも当然のことです。 でも、だからあえて、緊張感を持たせるために、この進行にしないってのもあるわけです。

「ツーファイブワン」の「ワン」が「 Im 」(いちどまいなー)の場合もあります。 このとき「 IIm7 」を「 IIm7♭5 」(にどまいなーせぶんふらっとふぁいぶ)にして、「 IIm7♭5 ・ V7 ・ Im 」とすることが多いようです。

と、ここまで書いたのですが、なんだか「ツーファイブ」の説明は長くなりそうです。 ということで、これは別の機会に詳しくやります。

え~、それで、なんだったっけ。え~と。 そうそう、なんでこういったコード進行をわざわざローマ数字の度数で表記するのかというと、コード進行を調(キー)に関係なく説明できるからなんですね。 慣れてくれば、移調というか、どの調でも演奏できるようになったりとか、何かと便利なものです。

イメージしてください。 ステージの上。 ちょっとハスキーボイスな女性のボーカルが、小声で「風邪ひいちゃって、高い声が出ないの。だからキーをGにしてっ。」 軽くうなずくベーシスト。 カウントを始めるドラマー。 この曲のオリジナルキーはB♭。 さあ~ピアニストのあなたはどうする~

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