ピアノが先か、ジャズが先か

まず、今更言っても仕方のないことを言います。 (この書き出し、なんかすごくないですか?自分でキーボードを打っていて、ちょっと驚いてしまいました)

本編のどこかで書きましたが、以前の私は「ジャズピアノを弾きたい」って思いながらも、その入口がわからずウロウロしていたときがありました。

普通は、ジャズの演奏を見たり、聴いて、「これがジャズなのか~」とか思ったりします。 そこからさらに、いろいろなジャズのCDを聴いて、「こういうのが弾きたいなぁ」ってなるはずです。 そして、「どうやったら弾けるようになるのだろう」ってなりますよね。 それから、「教則本を買ってみよう」ってなるわけです。

でも私の場合は、 まず、「ジャズピアノって弾けたらすごくカッコイイんじゃないの」ってとこから始まって。 それなら、「教則本を買ってみよう」ってなって。 読んでも解らないから、「とりあえずピアノを弾こう」ってなって。 「でも、ジャズピアノってどうやって弾くの」ってなって。 「さらに教則本を買おう」ってなったわけです。

最後の教則本に辿り着くところは同じです。 しかし私が、正規のルートでジャズピアノに行っていないところに問題があるように思うのです。 邪道とまでは言わないまでも、素直でないことは確かです。 そんな邪な気持ちの私などに、ジャズピアノの女神は微笑んで、ジャズピアノの門を開けてくれるはずがなかったのです。

つまり、私はジャズをあまり知らないまま、ジャズピアノのイメージだけに憧れて、「ジャズピアノが弾きたい」なんてことを抜かしていたのです。

そういえば、かなり昔になりますが、どこかの掲示板に、「場末のクラブのピアノ弾きになりたい」って書いてあったの思い出しました。 その方がどんな気持ちで、それを書いたのか判りませんが、それを見たときに少し笑ってしまいました。 「場末」って。 でも、次の瞬間に、「それも悪くないかもしれない」と思ってしまったのです。 どうやら私の中にも、退廃的なものへの憧れや、滅びの美学のようなものがあるようです。 そして、ジャズには、どこかそんな雰囲気が漂っているのかもしれません。 まぁどうであれ、落ちぶれる前に、ジャズピアノが上手になっていることが前提条件であることに変わりはありません。

話を戻します。 そしてある日、気が付くのです。 「オレ、全然ジャズのこと知らない」って。 ほんと、遅過ぎますよね。 そして、ジャズを知るには、ジャズの演奏を聴くしかないと思うわけです。

でも、何を聴いたら良いのか分かりません。 結局は、ジャズの雑誌に載っていた「初心者は、これを聴け」みたいなものを、片っ端から聴くのでした。

最近の教則本には、親切に「初心者がまず聴くべきジャズのアルバム」みたいなのが載ってたりします。 よく、ジャズのサイトにも、そういうのが載っていたりします。 でも、そういうのが20枚以上載ってたりすると、それを全部買うのも大変だし、その中からいくつか選ぶにしても、どれを選んでいいのか分からないと思うのです。 なんたって初心者なので。

そこで、ジャズに詳しい方達が選んだものの中から、さらに私が独断と偏見で選んでみようと思いました。 ジャズを知るには、ジャズピアノにこだわらずに幅広く聴く必要があります。 だから本当なら、ジャズボーカルとか、ジャズオルガンとか、ジャズギターとか全てを網羅するような選び方が良いに決まってます。 でも、それやっちゃうと枚数が多くなって、私があえて選ぶ意味もなくなってしまいます。

1枚だと少な過ぎるし、10枚だと多すぎます。 3枚でも、ちょっと少ないし、7枚だとちょっと多い。 そこで、一度になんとか買える金額で、それなりにバランスがとりやすい数の5枚ってことにしました。

選んだアルバムに、私なりのコメントを付けようとも思ったのですが、やめました。 ジャズをあまり聴いてこなかった方に、私の浅い知識と拙い文章で、下手に先入観を植え付けてしまうかもしれないので。 ジャケットを見ながら演奏を聴くだけでも充分だと思います。 もし、それ以上に興味が湧いたのなら、調べる方法なんていくらでもありますから。







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