1.アドリブができるようになりたい

華麗なアドリブにあこがれてジャズピアノを始めました。

完璧とはいえませんが、テンションコードも何とか覚えることができました。 そのテンションコードを使い、いろいろな曲のテーマなどを弾いています。

しかし、教則本なども買って練習したのですが、アドリブができるようになりません。 何か良い方法を教えてください。

この質問もけっこう多いです。 アドリブって言ってもいろいろあると思うのですが、「アドリブフレーズ」ってことに限定してなら、私でもなんとか説明できそうな気がします。

確かに、ジャズピアノの教則本には、なんらかのアドリブフレーズを作る方法が載ってます。 それなのに、「なかなか出来るようにならない」ってことですよね。

これについて、私はもうとっくに解決済み~というか、かなり昔(ジャズピアノを始めて少し経ったくらい)に分かってしまいました。 そして、なぜ出来ない人がたくさんいるのかについても分かっています。 だったら、なんで私自身もっと上手にならないかってことですよね。 しかし、それについても分かっています。

ということで、ひとつずつ順を追ってご説明したいと思います。

まずは、「アドリブが出来るようになる方法」からです。 分かりやすいように、先に箇条書きにしておいたほうが良さそうです。

  • テーマを崩す
  • フレーズを作る
  • 和音分散
  • スケール
  • アプローチノート
  • コピーする

「そんなこと既に知ってるよ~」って声が聞こえてきそうです。 確かに、ほとんどの教則本に載ってることなので、改めてここで説明する必要はないのかもしれません。 それなのに、「なぜ出来るようにならないのか?」ってことです。

なんかこのあたり、ものすごく「核心」って気がします。 実は、本当に大事な事は教則本に載っていないからなんです。 それは、ひとつだけ、と言うかホンの一言で済んでしまうほど簡単なことなんですけど。

でも、その前に先に挙げた項目の内容を説明しておいた方がいいかもしれません。 まず、アドリブができるようになるための要素を大雑把に「テーマを崩す」、「フレーズを作る」、「コピーする」の3つに分けています。 しかし、ちょっと言葉を変えれば、「既に有るものに手を加える」、「理論や技術を学び作る」、「マネをする」ってことになります。 特にジャズピアノだけではなく、音楽や芸術だけでもなく、ものごとをマスターする上での共通する3大要素なのでしょうね。

まず、「テーマを崩す」方法です。 これは、フェイクとかいって、オリジナルのメロディをもとにアドリブする方法です。 単純そうに見えて結構奥が深く、軽~く音符の長さを変える程度のものから、原型さえ分からない程のものまで、センス次第でいろいろなことができます。

次に、「フレーズを作る」方法です。 これも私は、かなり強引に、「和音分散」、「スケール」、「アプローチノート」の3つに分けてしまいました。 実際にCDとか聴いていても、「あっ、この部分オルタードだ~」とか、「単純に分散じゃん」とか、「アプローチノートだよ~」とかってのもありますよね。 と言うことは、この3つを練習すれば、それなりのフレーズが作れるようになるということです。 しかも、実際の曲のコード進行で練習すればかなりの効果が期待できます。

そして、最後は「コピーする」方法です。 いわゆる「耳コピ」ってヤツです。 よく「全てのことは、マネをすることから始まる」って言います。 かっこよさの秘密を知るには、これしかありません。 上手な人ほど慣用句や常套句フレーズをたくさん持っています。 そうなりたければ、もうコピーするしかありませんよ。

で、アドリブが出来るようになりたければ、これらを徹底的やればいいんです。 っていうか~もう、それしかありません。

で、「どのくらいやればいいの?」ってことです。 実は、先ほどの大事なことってのは、「この事」なのです。 確かに教則本でも、「しっかり練習しましょう」とか「充分に練習しましょう」って書いてあったりします。 でも、「しっかり」ってどのくらいのことなのでしょうか?

実は、著者の先生が「しっかり」って言ってるのは、「ものすご~く、たくさん、たくさん、たくさん、たくさん、たくさん、たくさん、たくさん、たくさん~」ってことなんです。

でも、読者側はとりあえず一通りやってみて「やっぱりできないや~」みたいになっちゃうんです。

ということで、誰も言わないなら、いつものように私が代わりに言い切って差し上げましょう。 「死ぬほどやる~」 別に死ななくてもいいんです。死んだらピアノが弾けませんからね。 つまり、う~んとたくさんってことです。

それを、ほとんどの人はちょこっとしかやりません。 だから、出来ないのは当たり前なんです。これで、出来たら奇跡か超天才です。 もう、徹底的に何が何でもやってやってやり続けます。 先ほどの3つのうちどれか1つだけを徹底的にやっても、そこそこのことができるようになるかもしれません。 でも、私は3つともバランスよくやったほうがいいんじゃないかと思うのです。 それぞれが、バラバラなことではなく関連し合っていることなのですから。

で、実際にどうやってやるかってことですが~、いろいろな教則本に具体的に書いてあったりしますから、それをやればいいんじゃないでしょうか。 とても私なんかの出る幕じゃありません。 特に、「フレーズを作る」方法なんてのは、教則本にたくさん載っています。 私は、それらの教則本をもとに私自身のためだけのエクササイズを作りました。 そのうち練習ノートでご紹介するかもしれません。 しかし、こんなド素人の私が作ったレベルの低いエクササイズなんかではなくて、どんどん自分に合ったハイレベルなものを作っていきましょう。 ポイントとしては、「実際の曲を使う」ってこと、そして「ちょっとだけ難しくする」ことです。

最後に、こんなに分かっているのに「どうして私自身がそれほど上手になってないか」ってことで締め括りたいと思います。 ものすごく簡単です。 死ぬほどやってないからです。

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