3.ウォーキングベース基本パターン
今回は、ウォーキングベースの基本パターンを徹底的に弾いて覚えようというものです。 なお「基本パターン」ってのは、私が勝手に決めてしまったものです。 もし、その経緯などの説明が必要でしたら、先に「練習ノートのジャズピアノ入門編」をご参照ください。
練習の方法
それでは、まず落跳パターンです。 譜面のいかにもつまらなそうな音列を見て、ちょっとひいてしまったかもしれません。
いっけん、たくさんありそうに見えますが、12キー分しかありません。
落下パターンをつなげて弾くと、どんどんと低くなって、鍵盤が足りなくなってしまいます。 逆に、跳躍パターンはどんどん高くなり、音的にベースじゃなくなってしまいます。 だから、ときどき丁度いい位置に戻しているだけのことです。
弾いてみると手の形にも一定の法則があり、意外に覚えやすいんじゃないかと思います。
それぞれのパターンで、ルートへの上からと下からの2種類のアプローチがあります。 私としては、上からのアプローチのほうがカッコいいので好きです。
落下パターン+上からのアプローチノート
落下パターン+下からのアプローチノート
跳躍パターン+上からのアプローチノート
跳躍パターン+下からのアプローチノート
覚えるまで徹底的に弾き続けます。 完全に覚えることができたら、もう上記のような練習は必要ありません。
落下パターンと跳躍パターンを交互に12キーを通して弾きます。 これなら落下したり跳躍したりで、だいたい同じような位置になります。 実際は、12キーを通して弾くと、オクターブ下の位置に移動しているはずです。
だったら、最初からこのように練習すればいいって思うかもしれません。 しかし、同じパターンを続けたほうが効率的に覚えられるような気がするのです。
C落、F跳、Bb落、Eb跳、Ab落、Db跳、Gb落、B跳、E落、A跳、D落、G跳、C落
落下パターンと跳躍パターンを反対にします。
C跳、F落、Bb跳、Eb落、Ab跳、Db落、Gb跳、B落、E跳、A落、D跳、G落、C跳
完全にできるようになったら、1拍目に右手でテンションコードを同時に弾きます。
- Cmaj7、Fmaj7、Bbmaj7 ・・・・・ Dmaj7、Gmaj7、Cmaj7
- Cm7、Fm7、Bbm7 ・・・・・ Dm7、Gm7、Cm7
- C7、F7、Bb7 ・・・・・ D7、G7、C7
次は、段々パターンです。
これも、段々と鍵盤の高いほうに行ってしまうので、ときどき弾きやすい位置に戻しているだけで、12キー分しかありません。
コツとしては、「段々93パターン+上からのアプローチノート」なら、ルートから「全全上」みたいにインターバルを考えながら覚えればいいんじゃないかと思います。
例えば C の場合、ルート(ド)から、全音(レ)、全音(ミ)、Fのルート(ファ)の半音上とか。
最初は、鍵盤を見ながら弾くべき位置を確実に見つけるようにします。 慣れてくれば、あまり考えずに弾けるようになっていきます。
段々93パターン+上からのアプローチノート
段々♭99パターン+下からのアプローチノート
段々9♭3パターン+上からのアプローチノート
段々9♭3パターン+下からのアプローチノート
覚えるまでひたすら弾き続けます。
これも、落跳パターンのように同じような位置で弾きたいって思います。 ということで、段々パターンと落下パターンを交互にすれば可能になります。
C段、F落、Bb段、Eb落、Ab段、Db落、Gb段、B落、E段、A落、D段、G落、C段
段々パターンと落下パターンを反対にします。
C落、F段、Bb落、Eb段、Ab落、Db段、Gb落、B段、E落、A段、D落、G段、C落
1拍目に右手で、
- 段々93、9♭3パターンのときは、maj7、7
- 段々9♭3パターンのときは、m7
のテンションコードを同時に弾きます。
- Cmaj7、Fmaj7、Bbmaj7 ・・・・・ Dmaj7、Gmaj7、Cmaj7
- Cm7、Fm7、Bbm7 ・・・・・ Dm7、Gm7、Cm7
- C7、F7、Bb7 ・・・・・ D7、G7、C7
さらに、総仕上げとして、違う種類のコードを交互に弾きます。
- Cm7、F7、Bbm7、Eb7 ・・・・・ A7、Dm7、G7、Cm7
- C7、Fm7、Bb7、Ebm7 ・・・・・ Am7、D7、Gm7、C7
- C7、Fmaj7、Bb7、Ebmaj7 ・・・・・ Amaj7、D7、Gmaj7、C7
- Cmaj7、F7、Bbmaj7、Eb7 ・・・・・ A7、Dmaj7、G7、Cmaj7
ということで、後はもう徹底的に弾いて弾いて弾いて、弾きまくるだけです。 もう、手や指が完全にパターンを覚えてしまうまで、ひたすら弾き続けます。 そのうえさらにダメ押しで弾き続けます。 ある程度のところまでくると、「段段落落跳段・・・」のようにランダムに、というか適当に弾くことができるようになります。 そこまでくれば、そろそろ実際の曲で試す段階です。
練習のポイント
- サスティーンペダルは絶対に踏まない。
- 次の鍵盤を弾くまで前の鍵盤から指を離さない。
- 4分音符の中に3連符を感じながら弾く。
- 手がフレーズの形を覚えることのみに専念する。
- 覚えることが重要なので、譜面やコード表などを見ないで弾く。
- 運指に悩まない。悩んでも、とにかく弾く。
練習の効果
- ウォーキングベースが弾けるようになる。
- コードの構成音がイメージできるようになる。
- 左手の筋力が強化される。