4.テンションノートっていっぱいありすぎ

ジャズの楽譜といったら、一般にCメロ譜って呼ばれているト音記号の付いてる1段の楽譜です。 これは、メロディの上にコードが書かれているだけのとてもシンプルなものです。 で、ジャズは、これだけを使って演奏するわけです。

楽譜には他にも、ト音記号とヘ音記号の2段になっているピアノ譜もあります。 こういったものには「ジャズ風のアレンジ譜」なんてのもあり、お手軽にジャズの雰囲気を味わえます。

それから、実際の演奏を譜面に起こした「コピー譜」なんてものもあります。

私は、これらのアレンジ譜とかコピー譜も数冊持っていますが、下手な教則本なんかよりもず~っと参考になります。

さて、先ほどの一般的に使われるCメロ譜ですが、どうやって弾けばいいのでしょうか?

私も、最初はどうしたらいいのか全然分かりませんでした。 仕方がないので、できることからというか、分かることから始めました。

まず、メロディを(ジャズではテーマなんて呼び方をしますが)どうするかってことです。

とりあえず、右手で弾きましょうか。 メロディは、楽譜にしっかり載っているので、なんとかなるはずです。 知っている曲なら、音符を見なくてもなんとなく弾けちゃうのです。

この楽譜には、コードも載っているので、左手で弾きましょうか。

だいたい鍵盤のこのあたりで収まるようにします。

鍵盤のこのあたり

これも別に決まりがあるわけではありません。 だいたいこの辺りをクローズボイシングでコードを弾くと良い音がするんじゃないのってことです。 中央のドよりちょっと低めを中心に、この辺りってことです。 当然、これより少し低めでもいいですし、高めでもいいかもしれません。

そのために、できれば転回形を使って同じような位置で押さえていきます。 小節の最初に「ジャ~ン」って。 小節の途中でコードが変わっているときは、そこでも「ジャ~ン」って。

右手のメロディが低いほうに行って、左手のコードと重なって弾きにくいな~ってときには、メロディを全体的にオクターブ上で弾きます。

これだけでも、そこそこ曲を演奏しているなぁって感じがします。 まあ、今ではもうちょっと高度というか、マシな弾き方もできるようになりましたが、とにかく最初はコレばっかりやって遊んでいました。

で、ここからがいよいよ「ジャズピアノ入門編」ってことです。

そう、テンションコードを弾くことによって、いっきにジャズの雰囲気に浸ることができるのです。 この左手で押さえていたコードに、テンションノートを加えてテンションコードにしちゃいます。

例えば「 E♭ ・ Cm7 ・ Fm7 ・ B♭7 」ってなっていても、ジャズピアニストはこのまま素直には押さえません。

実際には、 E♭ を E♭maj7(9) 、 Cm7 を Cm7(9) 、 Fm7 を Fm7(9) 、 B♭7 を B♭7(#9♭13) のように、何かしらのテンションノートを加えて押さえるのが普通なのです。

どのテンションノートを加えるかってのは、演奏する人の自由なのであえてテンションノートは指定していないのです。 しかし、自由っていっても、どうしたらいいのか分からないですよね。

だから、こういうといきのために「教則本」ってのがあるのです。

「 maj7 」だったら 9th と ♯11th が使えて、押さえ方はコレとかコレとかコレとかコレとかコレ。 ふんふん。

「 m7 」だったら 9th と 11th が使えて、押さえ方はコレとかコレとかコレとかコレとかコレ。 なるほどね~

「 7(ドミナント7) 」だったら、 ♭9th 、 9th 、 ♯9th 、 #11th 、 ♭13th 、 13th が使えて、押さえ方は、コレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレとかコレか~ はい、分かりました~って、・・・できるわけないじゃないですかっ!

多分、多くの人がココで挫折するんでしょうね。 すご~く分かります。

私も、どうしたらいいんだ~って、数週間の間ず~っと無気力状態が続きました。 とにかく、いっぱいありすぎっ!

「この中から自分のお気に入りを見つけなさい」ってことなのでしょうけど。 そんなの無理に決まってるじゃないですか~ 初心者の能力と忍耐力を過信しすぎてますよね~これって。 それに初心者はもう、不安で不安で仕方が無いってこと分からないのでしょうか。

で、どうしてくれちゃうのがイチバンいいかっていうと、 「たくさんあるけど、よく使うのはコレだから、まずはコレから覚えなさいね~」 って優しく言ってくれたら、ものすご~く楽になるのです。

でも、誰もそんなこと言ってくれないので、自分でなんとかします。 と言っても、私が数冊持っている「2段のピアノ譜」を参考にするだけなんですけどね。

まず、ヘ音記号の段で音符が塊になっているところを見つけます。 多分それはコードを弾いているところなので、それの構成音を度数で横に書きます。

構成音を度数で書く

そうやって、使用頻度が多そうなテンションノートを調べたのでした。 まあ「調べた」って言っても大雑把な私のことですから、正確に統計をとったわけではありませんよ~ ざ~っと見ていって、なんとなく多そうだな~って思うだけです。

「 maj7 」と「 m7 」は 9th かな~

そして「ドミナント7」ですが・・・これが本当に分からない、 #11 を使ってるのが少ないかな~程度。 9th は無かったり♭や♯が付いていたりそのままだったり、 13th も無かったり♭が付いていたりそのままだったり。 ・・・・・

あ~もう分からない、分からないよ~って頭を抱えて数週間の間、何もする気が起きませんでした。 しかし、何とかしないと前に進めません。

まあ、こうなったらどれを選んでも一緒なので、 9th と 13th に決めちゃいました~ホントいい加減ですが~ なぜこれを選んだかというと、♯とか♭とか付いていなくてシンプルで簡単そうだったからです。 例えば、♭とか♯にしたかったら、半音上とか下に移動すればよいわけですしね。

このとき勘だけで決めちゃったこれらのことですが、いろいろ分かってきた今となっても正解だった~って思っています。 そのことについては、いずれこの練習ノートでということで。

次回は「テンションノートを実際に押さえる」ってのを予定しています。 まあ、どうなるか、いつアップするかは私の気分次第ですけど。

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