37.疑惑を解決してみせましょう
半月もアップしなかったり、3日連続でアップしたりと、きまぐれも魅力のひとつのこの練習ノートです。
さて今回は、前回の疑惑を解明します。 といっても、どうしてディミニッシュコードがあのような仕組みになっているかについてですが。
まず、ピアノのように音程が決まっている楽器は、1オクターブ内に12コの音があります。
ピアノは、12平均律を基に作られたものなので当たり前です。
普通のピアノは、12コの鍵盤が半音間隔で、白黒白黒白白黒白黒白黒白と並んでいます。 鍵盤の色は、白と黒とがありますが、それぞれの鍵盤の間の音程は、一定になっています。 これは、1オクターブを12で割ったものなので、当たり前ですね。
この12の音を4で割ったものが、「ディミニッシュコード」なのです。 それぞれの構成音の間隔を、半音で数えて見るとよくわかります。
12÷4=3
12は、オクターブ内の音数。 4は、構成音数。 3は、音の間隔を半音で数えたもの。 つまり、4つの音はどの音も対等の関係にあり、どの音がルートになっても別におかしくはないわけです。
では、4で割れるんだったら、3でも割りきれるんじゃないかって思いませんか? 特に、私のような天邪鬼(あまのじゃく)は、そんなことばっかり考えます。
その3音構成のコードを実際に弾いてみると、このようになります。
ちょっと、一言ではいえない妙な感じがします。 このコードを、「オーギュメント」って呼びます。
Cをルートにすれば、Caug(しーおーぎゅめんと)です。 Eをルートにすれば、Eaugで、A♭ならA♭augです。 このオーギュメントコードは、Caug、D♭aug、Daug、E♭augで、後はその転回形です。
ただし、ディミニッシュとは違って、3で割っているために全部で4種類です。
あまり、このオーギュメントは使わないかもしれません。 でも、たま~には使うこともあるでしょう。
また、Caugは、C(#5)(Cトライアドの5度が半音上がったもの)という考え方もあります。
さて、ここまでくると2で割りたくなるのが人の常です。 でも、2音ではコードって呼べるのか微妙なところです。
12÷2=6ってことは、半音6コ分の位置が、ちょうど半分ってことになります。
- C と G♭
- D♭ と G
- D と A♭
- E♭ と A
- E と B♭
- F と B
- 表 と 裏
- 光 と 影
- 男 と 女
そうです、この2つは世界を半分にするもの、あるいはここから世界が始る要素でもあるのです。 Cの半音6コ上がG♭であり、G♭の半音6コ上がCなのです。 トライトーン(3全音)なんて呼ぶこともあります。
また、3度下をルートとすると、それぞれ3度と♭7度の関係にあるこの音こそ、コードの性格を決定付けるものでもあります。 現在、お遊び半分のこの練習ノートですが、いずれはジャズピアノ編に突入していくことになります。 そのときは、うんと使います。でも、そのときまでは忘れていても構いません。
え~、6で割って欲しいって?
これコードでしょうか? ・・・ホールトーンスケール! 一ずつ弾いてみてください。きっと宇宙空間が感じられると思います。