41.なぜ覚えられないかを分析してみる

ジャズピアノを弾きたくて始めたピアノですが、最初どうしても入口が見つかりませんでした。

以前は、インターネットなんてありませんし、今みたいに親切で丁寧な教則本もありませんでした。 難しい理論書なんか読んでも3秒で眠くなってしまいます。 そこに載っている楽譜を弾いても「ふ~ん」なんて思うだけで、それをどう応用していけばいいのかまったく分かりません。

そうです、ジャズピアノの玄関先をず~っと、うろうろしているような状況でした。 ただ、コードが重要であるということは、なんとなく感じていました。

しかし、どうすればいいのか分からないし、なんでもいいから曲が弾きたいという気持ちもありました。 この時期、本当に手当たり次第、弾けそうな曲は弾いていました。ジャズ以外ですけど。 クラシックとかでも、例えば「エリーゼのために」とか「別れの曲」とか、サティの「ジムノペディ」とか、映画やドラマの主題曲だったらポールモーリア、アンドレギャニオン、坂本龍一とか。 でも良く考えたら、それまでまったくピアノにさえ触ったことがなかったわけですから、まずピアノを弾くという作業に慣れる必要があったのかもしれません。

それはもう想像を絶する1小節、1音ずつの解析作業です。 音符のたくさんある小節は、4分割して、1音ずつ確かめては弾くという気の遠くなる作業を毎日繰り返していました。 多分、私の中途半端な読譜力は、このとき培われたのではないかと思われます。

そんなこんなで何曲か弾けるようになると、ピアノの鍵盤に手を置く姿勢にもだんだんと慣れてきます。 でも、どうなのでしょうか?私のようにまったくゼロからジャズピアノを目指す人というのは、それほど多くないのでは? 例えば、クラシックをある程度弾ける方、バイエル修了程度の方、バイエル中途挫折の方など、ある程度ピアノを弾くことに違和感のない人が多いのではないでしょうか? ゼロからのジャズピアノということでしたら、本当はこの地点がゼロのはずです。 それからすれば、私の場合マイナス100くらいだったのでしょうか。

次に私は、コードを覚えようと思いました。というか結果的に覚えることができたというか。いよいよお待ちかねの今回のテーマです。 まず、なぜコードの必要性が分かっているにもかかわらず覚えられないのか、について考えます。 これは、「英語の必要性は分かっていても話せない」というのに似ています。 そう、できないのは使う機会がないっていう簡単な理由からです。

ピアノ譜(ト音とヘ音の2段になってるアレ)で弾いていると、コードなんてぜんぜん知らなくても、まったく困りません。 でも、ジャズではCメロ譜(1段のコード付きメロディ譜)を使うため、コードの知識が必須ということも、なんとなく理解できます。 しかも、ジャズで使うのは、複雑なテンションコードです。 でも、テンションコードを覚える前に、基本コードを覚えなくてはなりません。 なんか、このあたりに深い溝というか、とてつもなく高い敷居があるような気がします。

以前、「バッキング万能パターン」について書きました。わからない方は練習ノートを遡ってみてください。 実は、そのときに書いたバッキング方法での弾き語りというのが私のオススメなのです。 実際、この練習方法により私は、基本コードを覚えました。

私は「フォーク&ニューミュジックベスト」のようなタイトルの付いてる曲集も持っています。 とにかくたくさんの曲が載っていれば、歌詞とコードのみのシンプルなもので構いません。 この中から好きな歌を選んで、自分で歌いながらそのバッキングをするのです。 当然ですが、次々とコードを滞りなく押さえていかないと気持ちが悪いので、自然にコードを覚えてしまいます。 1冊の曲集に載っている知っている歌が、ひと通り終わる頃には、全ての基本コードを覚えてしまっているはずです。 結構、おもしろいので「コードを覚えなくちゃ」なんて義務感がないのが、これの良いところです。 リズムなんかは、それぞれの曲想に合わせて臨機応変に変えちゃってください。

さて、前回で基本コードはすべて終わりましたが、最後にひとつだけ、良く見かけるコードを載せておきます。

Am/C

または、「Am on C」なんて書いてある楽譜もあります。 これは、ルートをCにして、Amのコードを押さえるという意味です。

このようなルートだけ換えるコードは、こんな感じに使います。

CBBbA

どこかで聴いたことがあるようなコード進行ですが、それだけよく使われるということです。 ルートがベースとしてC、B、B♭、Aって降りてくるのがカッコイイんですね。

さて、次回は弾き語りではなく、曲を弾きます。 といっても、まだジャズではありませんが、Cメロ譜を自分でアレンジして弾けるようになっちゃうという方法です。超簡単です。 これも、見逃せませんな~。

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